年金を受け取る親の扶養控除|年金収入と所得を分ける
親の扶養控除を確認するとき、公的年金の振込額や収入額を、そのまま合計所得金額とは扱いません。公的年金等控除等を反映した所得を確認します。
この教材の論点:扶養控除と配偶者の控除
2026年分の制度を扱います。施行時期や対象条件を本文と公式資料でご確認ください。
親の年金通知を見ながら扶養控除の申告を準備している。通帳の振込額や年金収入をそのまま所得欄へ入れず、公的年金等控除やほかの所得を反映した金額を求めます。
親の年齢や年金の種類、他の所得の有無も関係します。非課税となる年金と、課税される公的年金等を区分して資料を集めます。税と社会保険の扶養判定も分けて確認します。
2026年分の所得要件へつなぐ
2026年分の改正後の扶養親族の所得要件は、合計所得金額62万円以下です。ここでは居住者である親について、年末の要件や生計も満たすかを確認します。公的年金の年間収入を、そのまま62万円と比較するものではありません。所得税の基礎控除や親自身の社会保険料控除を引いた課税所得でも判定しません。
二人の年金収入を比べる例
いずれも65歳以上で、公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下、老齢年金以外の所得はなく、一般的な公的年金等控除の区分に当たるという仮定です。
| 年金の収入 | 公的年金等控除 | 年金の所得 | 所得要件との比較 |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 110万円 | 40万円 | 改正後62万円以下 |
| 180万円 | 110万円 | 70万円 | 改正後62万円を超える |
この表は年齢や他の所得の条件を置いた例です。65歳未満の人や他の所得が多い人へ、110万円を一律に使うことはできません。また、親が自分の所得控除で所得税零円となる場合でも、子の扶養控除の所得要件を満たすとは限りません。
給与や家賃がある場合
年金150万円から求めた所得40万円に加え、給与所得25万円があるという仮定なら、他の調整がない単純な例では合計65万円となります。年金だけ見れば要件内でも、給与を含めると結果が変わります。家賃収入なども、収入ではなく所得の計算を行ってから合計する取扱いを確認します。
遺族年金・障害年金を分ける
老齢年金と、非課税となる遺族年金・障害年金を同じ欄に合算しません。名称に年金とあることだけでは、課税関係は分かりません。年金の源泉徴収票や通知書で制度名と支払額をそろえます。通帳の年金入金は保険料等が差し引かれている場合があるので、所得の出発点は支払資料で確認します。
年齢区分と生計も最後に照合する
親が70歳以上なら老人扶養親族の区分、同居の常況や直系尊属であることなどを満たすなら同居老親等の区分を確認します。所得要件を満たすことと、同居老親等の控除額を使えることは別です。老人ホームへ入所している場合と治療入院の場合にも違いがあります。親の年齢、居住状況、年金以外の所得、誰が扶養を申告するかを家族で整理し、扶養控除の全要件へ戻って確かめましょう。
本人が親の保険料を払った事情は、家族の社会保険料控除として別に整理します。
根拠とした公式資料
- No.1180 扶養控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1191 配偶者控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1195 配偶者特別控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1600 公的年金等の課税関係 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1177 特定親族特別控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。