医療費控除と保険金|補てん金をどの医療費から引く?
医療費控除では、保険金や給付金などで補てんされる金額を調整します。受け取った保険金を、家族全体の医療費から無条件に引くという計算ではありません。
この教材の論点:医療費控除
入院費に対する保険金を受け取り、ほかの通院費もまとめて医療費控除を計算している。保険金がどの治療費を補うものかを通知で調べ、対応する費用から差し引きます。
治療ごとに対応させる架空例
医療費を補填する保険金等は、その給付が対象とする医療費から差し引きます。給付額がその費用を超えても、余った額を別の医療費から引く扱いにはしません。まず支払と給付の対応関係を分けて整理することが重要です。
2026年中に支払った控除対象の医療費として、治療Aが20万円、治療Bが18万円あるとします。入院給付金25万円は、治療Aだけを補填するものと確認済みです。治療Bに対応する給付はありません。
| 費用のまとまり | 対象医療費 | 対応する補填 | 差引後の額 |
|---|---|---|---|
| 治療A | 200,000円 | 250,000円 | 0円 |
| 治療B | 180,000円 | 0円 | 180,000円 |
| 合計 | 380,000円 | 対応関係を保って処理 | 180,000円 |
治療Aは20万円を限度として補填を引くので差引後は0円です。余った5万円で治療Bの18万円を減らしません。最初に38万円から25万円を一括で引いた13万円を計算に使うと、この例では控除対象を少なくしてしまいます。
差引後の合計から足切りへ進む
仮に総所得金額等が200万円以上であれば、上の例は補填後18万円から10万円を引き、医療費控除額は8万円となります。200万円未満の場合は足切りが総所得金額等の5%となるため、所得側の確認も必要です。差引後の合計18万円がそのまま税額から引かれるわけではありません。
記録へ残すと確認しやすい項目
- 医療を受けた人、医療機関、支払日、控除対象費用
- 給付の名称と、どの支払を補填するものか
- 給付額と、対応する費用を限度に差し引いた額
- 年末時点で給付額が確定していない場合の確認事項
給付の名称だけで機械的に扱いを決めず、通知や支給条件を確認します。単に通帳への入金日が近いという理由で、異なる治療に対応付けないようにします。給付が未確定の場合の見積りや後日の訂正は、対象年の公式案内を確認してください。
入力と練習へつなぐ
給与所得税シミュレーターの医療費欄には、このように費用ごとに補填を引いた後の合計を入力します。支払総額と給付総額の単純な差ではありません。医療費の練習ケースで、対応する保険金を引く判断から確かめられます。
控除額と還付額の違いは、医療費控除の基本と年間税額の精算で確認できます。
根拠とした公式資料
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1122 医療費控除の対象となる医療費 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1120 医療費控除(医療費通知・未確定の補てん金Q&A) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。