家族への給与は経費になる?専従者給与と家計の区別
生計を一にする家族へ事業の対価を支払う場合は、通常の外注費や従業員給与と同じ扱いにならないことがあります。青色事業専従者給与や白色申告の事業専従者控除には条件があります。
この教材の論点:開業と青色申告
週末に仕事を手伝ってくれる家族へ、お金を渡すことになった。生活費への送金と仕事の対価を分け、生計を一にする家族について専従者給与や専従者控除の条件を調べます。
青色事業専従者給与の基本条件
生計を一にする家族へ支払う仕事の対価は、原則として通常の外注費や従業員給与と同じようには必要経費にできません。例外として、青色事業専従者給与や、白色申告の事業専従者控除を確認します。
- 事業主と生計を一にする配偶者その他の親族である
- その年12月31日時点で15歳以上である
- 原則として、その年の6か月を超える期間、専ら事業に従事している
- 所定の届出があり、届け出た方法・金額の範囲内で実際に支払う
- 労務の対価として相当な金額である
年の途中の開業など一定の場合には、従事できる期間の2分の1を超える期間という取扱いがあります。学生や他の勤務先で働く家族についても、形式だけで専従とせず、その実態と対象条件を確認します。
週末だけ手伝う家族の例
架空の例で、他の会社へ平日勤務する配偶者が、週末だけ梱包を手伝ったとします。手伝いの事実や振込があるだけでは、専らその事業に従事する条件を満たしたとは判断できません。家族へ振り込んだ生活費を「給与」と名付けるだけでも足りません。
仕事内容、日数、時間、他の仕事の有無を整理します。生計を一にするかは、同居しているかだけでなく生活費の関係等も確認します。
白色申告は実際の給与額をそのまま経費にしない
白色申告の事業専従者控除は、原則として対象親族が年間6か月を超えて専ら従事すること等が条件です。控除額は、配偶者86万円・その他の親族50万円という上限と、控除前の事業所得等を専従者数に1を加えた数で割った額の、低い方になります。
配偶者1人が対象で控除前所得100万円という単純な例なら、100万円÷2=50万円と上限86万円を比べ、低い50万円を確認します。無条件に86万円を引く制度ではありません。
届出・支払・扶養を一緒に点検する
青色の初回届出は原則3月15日、新規開業や新たに専従者がいることとなった一定の場合は原則その日から2か月以内です。増額等は変更届の手続きを別に確認します。
青色事業専従者として給与を受ける家族や白色の事業専従者は、扶養・配偶者控除との関係にも注意が必要です。事業主の経費、家族の所得、給与の源泉徴収をそれぞれ分けて記録してください。
根拠とした公式資料
- No.2210 必要経費の知識 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。