基礎控除申告書には何を書く?収入見積りと所得見積りの違い
基礎控除申告書では、給与収入の見積額と、そこから計算する所得金額の見積額を分けます。給与以外に所得があれば、その分も確認します。
この教材の論点:年末調整
2026年分の制度を扱います。施行時期や対象条件を本文と公式資料でご確認ください。
会社から基礎控除申告書を渡されたが、まだ年末の給与や賞与が確定していない。年内の支給見込みから給与収入と所得を別々に求め、副業等の所得も含めて本人の見積額を作ります。
源泉徴収票がまだ出ていない時期は、年内の給与・賞与の見込みを給与明細などから集計します。所得控除を引いた後の金額を、合計所得金額の見積りとして書かないようにします。
見積りの作業を五つに分ける
最初に、年内の支給日が確定している給与・賞与を全勤務先分集めます。次に対象年の給与所得の金額表へ当てはめます。その後、給与以外の収入を所得区分ごとに計算し、合計所得金額に含める額を整理します。ここで本人の社会保険料や生命保険料を先に差し引くことはしません。最後に基礎控除の区分を選びます。
控除後の220,000円を、③の合計所得金額の見積額へ書く例ではありません。本文の条件・計算例に対応しています。
図は横にスクロールできます。
数値・人物・事業者は説明用の架空の例です。実際の様式や欄名は発行元・対象年によって異なります。
| 準備する数字 | 例 | そのまま所得へ使えるか |
|---|---|---|
| 給与の額面合計 | 400万円 | 給与所得へ換算する |
| 副業の売上 | 50万円 | 所得区分と必要経費を確認する |
| 副業の所得 | 20万円 | 合計へ含める取扱いを確認する |
| 年内の手取り累計 | 金額にかかわらず | 給与収入や所得の代用にしない |
二つの勤務先がある場合
年末調整をする主たる勤務先以外の給与がある場合も、本人の合計所得金額を見積もる際には、その給与所得を考慮する必要があります。主たる勤務先が年間の給与所得税すべてを精算するかという問題とは別です。会社が給与として集計する範囲と、本人の控除要件のために把握する所得の範囲を混ぜないようにします。
給与だけの場合の書き分け
2026年分の給与収入見込みが200万円だけの例では、給与所得126万円を確認します。給与収入欄へ126万円、所得欄へ200万円と逆に書かないようにします。その人が居住者でほかの所得がなければ、改正後の基礎控除の該当区分は104万円です。この104万円を引いた22万円を、合計所得金額の見積り欄へ記載するものではありません。
配偶者・親族の欄とは別に計算する
兼用様式では、本人の基礎控除、配偶者控除等、特定親族特別控除、所得金額調整控除の欄が一枚に並ぶことがあります。しかし、それぞれ誰の所得を求め、どの要件を判定するかが違います。本人の給与見込みを配偶者欄へ写したり、家族全員の給与を合計して本人の所得欄へ書いたりしません。
年末の確定額との差を修正する
賞与や副業の収支が確定して区分が変わりそうなら、給与担当者へ再確認を依頼します。申告書を一度出したことだけで、誤った見積りが確定するわけではありません。会社で再計算できる時期を過ぎた場合は、確定申告などによる精算を確認します。使用した見積りの内訳を残すと、どこが変わったかを説明しやすくなります。
給与の換算は2026年分の給与所得控除、本人の区分は基礎控除の表で確かめます。
根拠とした公式資料
- No.1199 基礎控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1410 給与所得控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1500 雑所得 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。