所得控除の合計と課税所得|社会保険料を二重に引かない例
給与所得控除と所得控除は、計算する段階が異なります。源泉徴収票等ですでに差し引いたものを、別の段階でもう一度引かないようにします。
この教材の論点:所得税の年間計算
2026年分の制度を扱います。施行時期や対象条件を本文と公式資料でご確認ください。
源泉徴収票の所得控除合計を引いた後、社会保険料も別に引いてよいか迷った。合計欄に含まれる内訳を照合し、同じ控除を一度だけ使って課税所得を求めます。
給与収入から給与所得を求め、その後に基礎控除や社会保険料控除等を使います。源泉徴収票の所得控除合計欄を使う場合は、その中に含まれている個別控除を再加算しません。
具体的な場面で考える
給与所得が250万円、所得控除の合計が150万円の単純な例なら、その差100万円が課税所得を考える出発点です。さらに合計に含まれた社会保険料をもう一度引く計算はしません。
用意する資料
- 給与所得の金額
- 所得控除の内訳と合計
- 課税所得の計算欄
間違えやすい点
課税所得に対する税率と、給与収入に対する天引き割合を同じものとして比較しないようにします。
合計欄を使う計算と内訳を積む計算を混ぜない
給与所得250万円、基礎控除等の所得控除合計150万円、その150万円の中に社会保険料40万円が含まれるとします。単純化すると課税所得は100万円です。250万円−150万円−40万円として60万円にすると、社会保険料を二度引くことになります。
250万円−150万円=100万円。合計150万円に含む社会保険料40万円をさらに引きません。本文と同じ単純化した計算で、控除要件や端数処理は省略しています。
図は横にスクロールできます。
数値・人物・事業者は説明用の架空の例です。実際の様式や欄名は発行元・対象年によって異なります。
| 計算の方式 | 使う数字 |
|---|---|
| 合計から計算 | 給与所得−所得控除合計150万円 |
| 内訳から計算 | 給与所得−各所得控除を一回ずつ |
| 誤った混在 | 合計を引き、さらにその内訳を引く |
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」と「所得控除の額の合計額」は別の段階です。また、副業があれば給与所得だけを出発点にできるとは限りません。課税所得の千円未満の端数処理や、税額控除・源泉徴収税額の精算は、その後の段階で確認します。副業がある場合の所得集計、年税額と還付額の違いへ進むと計算全体を追えます。
根拠とした公式資料
- No.1100 所得控除のあらまし ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.2260 所得税の税率 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1199 基礎控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1410 給与所得控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。