開業届と青色申告の申請は別?提出前に整理したいこと
開業届と青色申告承認申請書は、目的も効力も異なります。開業の事実に関する届出を出しただけでは、青色申告の承認を申請したことにはなりません。開業した日、どの年分から青色申告を希望するか、必要な帳簿をそろえられるかを分けて確認します。
この教材の論点:開業と青色申告
開業届を出したので青色申告も済んだと思っていた。二つは目的の異なる手続きです。開業時には、事業を始めた事実、青色申告の承認申請、帳簿の準備、実際の申告要件を分けて整理します。
開業届と承認申請を区別する
開業届は事業の開始等を届け出る書類です。青色申告を希望する場合は、所得税の青色申告承認申請書について、対象年と提出時期、承認の状況を別に確認します。開業届の控えや事業用口座があるという事実だけで、青色申告の承認を受けたと判断しません。
| 確認するもの | 主な確認点 |
|---|---|
| 開業の届出 | 事業開始日、届出の対象となる事実、提出期限 |
| 青色申告の承認申請 | 青色申告を始めたい年、申請期限、提出・承認の状況 |
| 帳簿・資料 | 取引の発生、収入・経費、資産・負債の記録 |
| 青色申告特別控除 | 対象所得、記帳、決算書、期限内提出等 |
期限を別々に調べる
通常、青色申告承認申請書は、その年の3月15日までに提出します。その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、原則として開始の日から2か月以内です。相続による承継等には別の取扱いがあるため、前の事業主と同じ条件だと思い込まず、国税庁の案内を確認します。休日に当たる場合等の期限も確認してください。
開業届の期限と青色申告承認申請の期限は同じと決めつけません。特に制度改正がある年は、開業日がいつかを確かめ、対象となる届出の最新案内を読みます。一方の書類を期限内に出しても、他方の提出を自動的に済ませたことにはなりません。
受信通知と控えを残す
提出した書類名、対象年、事業開始日、提出日を確認できる控えをまとめます。e-Taxなら受信通知等も対応させます。会計ソフトの購入履歴やカードの作成履歴は、青色申告承認申請を行った記録の代わりにはなりません。承認の扱いが分からない場合は、税務署の案内に沿って状況を確認します。
開業した年から収支を記録する
当年売上120万円、必要経費45万円が確認できたなら、青色申告特別控除前の事業所得は75万円です。届出を出しただけで、この金額から自動的に65万円を引くものではありません。本人が入れた資金や借入元本は売上と分け、設備の取得は必要経費に全額入れられるかを別に検討します。
副業という名称や開業届だけで、所得が必ず事業所得になるわけでもありません。活動の実態などから所得区分を確かめます。青色・白色いずれの場合も、帳簿と取引資料を対応させて収支を説明できる準備が必要です。
次に学ぶこと
承認の状況を確認したら、青色申告特別控除の金額ごとの要件へ進みます。55万円と65万円の区分では、帳簿の作り方、貸借対照表等、期限内提出など、複数の条件を一つずつ確認します。
根拠とした公式資料
- No.2070 青色申告制度 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.2072 青色申告特別控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.2090 新たに事業を始めたときの届出など ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- 所得税基本通達35-2の改正に係る解説(事業所得と業務に係る雑所得) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。