仕入れた商品が年末に売れ残ったら|在庫と売上原価
商品を仕入れても、年末に残る在庫の取得費がそのまま当年の売上原価になるわけではありません。仕入れと棚卸しを対応させます。
この教材の論点:減価償却と棚卸し
年末の棚卸しで、店舗だけでなく自宅や外部の倉庫にも商品が残っていた。場所ごとに数量を数え、年末前後の入出庫を反映して12月31日時点の在庫額を作ります。
10個仕入れて6個売れた例
12月31日に売れ残った商品は、期末在庫として数量と価額を確認します。年内に仕入代金を払い終えたことと、すべてが当年の売上原価になることは別です。このページでは年末の実際の棚卸作業を整理します。
年初在庫がなく、単価3,000円の商品を10個仕入れ、年内に6個販売し、返品等もなかったとします。年末の4個は1万2,000円、基本式による売上原価は仕入れ3万円-期末在庫1万2,000円=1万8,000円です。3万円を払ったから全額が原価になるという計算ではありません。
この例は単価が一定の単純な条件です。単価が異なる仕入れがある場合は、採用する棚卸資産の評価方法に沿って価額を求めます。売上原価の基本式と対応させて確認します。
棚卸しを進める順序
- 店舗、倉庫、外部委託先など在庫のある場所を一覧にする
- 品名や型番ごとに数量を数える
- 他人から預かった商品など、自分の在庫でない物を区別する
- 年末前後の入出庫を確認し、12月31日時点の数量へ合わせる
- 単価と価額を計算し、棚卸表を決算書へ対応させる
年末当日に数えられず前後の日に実査する場合は、その間の仕入れ・販売等の増減を記録し、年末時点を説明できるようにします。数えた日の数量を理由なく年末在庫として扱わないでください。
売れない商品も勝手にゼロにしない
長期の売れ残りや破損品は、状態、数量、処分の有無を記録します。帳簿上の在庫を消すために、実物が残っている商品を無条件に廃棄扱いにはしません。評価減や廃棄の処理は、それぞれの条件と事実関係を確認します。
記録を翌年へつなげる
棚卸表には実施日、数量、評価方法、計算担当等を残し、当年末の価額を翌年初の価額と照合します。仕入請求書と販売履歴を保管し、前年からの残りも追えるようにします。帳簿・棚卸表の保存期間も資料の種類に応じて確認してください。
根拠とした公式資料
- No.2210 必要経費の知識 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- 令和7年分 青色申告の決算の手引き(一般用)1頁:棚卸表・売上原価 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- 令和7年分 青色申告の決算の手引き(一般用)1〜2頁:期末棚卸・評価 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。