キャンセル料を受け取ったとき|所得税の収入と消費税の区分
予約や仕事の取消しで受け取るキャンセル料は、売上の返金とは分けて記録します。事業の収益を補うお金か、事務手数料かを確認し、所得税と消費税を別々に判定します。
この教材の論点:事業の収入と入金の記録
予約の前受金を受け取った後に解約となり、一部をキャンセル料として残して返金した。個人事業者の受取側として、元の代金、返金、確定した手数料や補償を対応させて記帳します。
何の対価・補償を受けたかを記録する
仕事や予約が取り消された後にキャンセル料を受け取ったら、元の売上を残したまま別の入金を足す前に、契約と精算内容を確認します。取り消したサービスの代金、既に提供した部分の対価、取消しに伴う手数料や補償を分けることが必要です。ここでは個人事業者が受け取る側を考えます。
事業の収益や必要経費を補う性質の損害賠償金などは、所得税の収入に含める取扱いがあります。キャンセル料を「損害賠償金」と呼んでいても、それだけで個人のけがへの慰謝料などと同じ非課税扱いになるわけではありません。規約、予約内容、解約の通知、精算書でお金の性質を明らかにします。
既に計上した売上を取り消す作業は、売上の取消しと返金で整理できます。その取消額と、最終的に受け取るキャンセル料を混同しないようにしましょう。
所得税に収入があっても、消費税の区分は別
消費税では、解約手続きなどの事務手数料に当たる部分と、逸失利益を補う損害賠償金の性質の部分とで扱いが分かれます。前者は役務の対価として課税対象、後者は対価に当たらず課税対象外という説明です。一括で受領する場合の取扱いもあるため、実態を分けず、好きな方へ分類してよいわけではありません。
消費税で課税対象外という結論でも、そのまま所得税の収入も零になるわけではありません。「課税」という言葉がどの税を指しているかを明確にすることが重要です。
予約代金を精算する例
予約時に5万円を前受けし、サービス提供前に解約、規約と合意により1万円をキャンセル料として受け取り、4万円を返すという架空の例です。まず前受けした5万円の行方を、返金4万円と確定したキャンセル料1万円へ対応させます。未提供のサービス代金5万円とキャンセル料1万円を、両方そのまま収入へ足すわけではありません。
| 記録 | この例で残す内容 |
|---|---|
| 元の予約 | サービスと前受代金5万円 |
| 解約の合意 | 受領するキャンセル料1万円の根拠 |
| 返金 | 4万円の送金記録 |
| 税区分 | 1万円の性質を各税で検討 |
年末をまたぐ場合の確認
解約の連絡日、受領額の合意日、実際の返金・入金日は異なることがあります。所得税の計上時期は、権利や金額が確定した時期と契約の内容を確認します。現金主義の特例を使っている場合も分けて整理します。年末の未入金と売上を参考に、未収・前受の記録を消して、結果的な入金だけへ置き換えないようにしましょう。
根拠とした公式資料
- No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.2200 収入金額とその計算 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.2201 個人事業者が事業所得の必要経費を補てんするための損害賠償金を受け取ったとき|国税庁 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
- No.6253 キャンセル料|国税庁 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。