勤労学生控除とは?学生本人の所得と親の控除を分ける
対象となる学校、勤労所得、その他の所得の条件を整理し、親の扶養と混同しない読み方を学びます。
この教材の論点:その他の所得控除
2026年分の制度を扱います。施行時期や対象条件を本文と公式資料でご確認ください。
アルバイト先の年末調整で「勤労学生」に当たるか聞かれた。通っている学校と本人の所得の条件を読み、親の扶養控除の判定とは分けて調べます。
学校と所得の両方に条件がある
勤労学生控除は、一定の学校の学生・生徒などに該当し、本人の所得等の要件を満たす人が確認する所得控除です。学生がいる家庭に一律に支給される制度ではなく、働いている学生本人の所得税の制度です。
大学生という肩書きだけでなく、対象となる学校等に在籍しているかを確認します。また、給与所得など勤労に基づく所得があることや、合計所得金額、そのうち勤労によらない所得の額などの条件があります。アルバイト給与だけの場合と、配当や事業等の所得もある場合では、確認する数字が増えます。対象年分の公式要件へ照合しましょう。
給与収入と所得を区別する
アルバイト先から受け取った給与の年間合計は、給与収入です。給与所得控除などを反映して給与所得を求め、ほかの所得があればその区分で計算します。給与明細の振込額や、年間の生活費を引いた残額を所得として使うものではありません。複数のアルバイト先がある場合は、それぞれの給与資料をそろえます。
親の扶養控除は別に判定する
例えば子ども本人が勤労学生控除を受けたことで所得税がかからなくなっても、親が扶養控除等を受けられるかは別の要件で判定します。子どもの所得から勤労学生控除を引いた後の課税所得を、親の扶養の所得判定に使うわけではありません。本人の課税所得と、親が確認する子の合計所得金額を分けることが重要です。
勤務先や申告で必要な情報を伝える
年末調整で申告する場合は、対象年の扶養控除等申告書などで必要な事項を伝え、学校の区分に応じた証明も確認します。勤務先で反映されているかは源泉徴収票などで照合できます。給与以外の所得や学籍に変更があった年は前年の記載をコピーせず、条件を見直しましょう。社会保険の扶養判定も別途確認が必要です。
同じ子についても判定する人が違う
| 判定する制度 | 控除を受ける人 | 見る数字 |
|---|---|---|
| 勤労学生控除 | 学生本人 | 本人の合計所得等 |
| 扶養控除等 | 条件を満たす親など | 親族である子の所得等 |
| 健康保険の扶養 | 保険制度の条件で確認 | 税とは異なる基準を確認 |
学生本人の所得税が零になった結果だけを親へ伝えるのではなく、給与収入、計算した所得、給与以外の所得の有無を共有すると、別制度の判断を混同しにくくなります。
2026年分の金額を確認する
2026年分の改正後は、勤労学生の合計所得金額の要件は89万円以下で、そのうち勤労に基づかない所得が10万円以下であることを確認します。勤労学生控除の所得税の控除額は27万円です。改正は12月1日施行で、施行日前の準確定申告等は別途確認が必要です。89万円は給与収入そのものの上限ではなく、計算後の合計所得金額の条件である点に注意しましょう。
根拠とした公式資料
- No.1180 扶養控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1410 給与所得控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1175 勤労学生控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1177 特定親族特別控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。