源泉控除対象配偶者と配偶者控除の対象者の違い
毎月の天引きで使う区分と、年末に配偶者控除・配偶者特別控除を判定する区分を、本人と配偶者の所得の組合せで比べます。
この教材の論点:扶養控除と配偶者の控除
2026年分の制度を扱います。施行時期や対象条件を本文と公式資料でご確認ください。
扶養控除等申告書の配偶者欄に書けるか分からず、年末の配偶者控除も使えないのか気になった。夫婦それぞれの所得から、毎月の源泉徴収の区分と年間の控除を別々に調べます。
比べるのは夫婦それぞれの合計所得金額
「源泉控除対象配偶者」と「控除対象配偶者」は、名前が似ていても使う場面が違います。前者は毎月の給与から所得税を天引きする際の区分、後者は年間の配偶者控除を判定する区分です。扶養控除等申告書の配偶者欄に記入できなかった人も、年末の控除まで対象外と決まったわけではありません。
以下は、生計を一にする法律上の配偶者で、事業専従者に関する除外に当たらない場合です。「所得」は手取りでも給与収入でもありません。給与がある人は給与所得を求め、ほかの所得も合わせて判定します。
本文の夫婦の合計所得金額を使った部分例です。法律上の婚姻・生計等のほかの要件を満たすと仮定します。年間判定は2026年分の改正後の制度を扱い、給与用の源泉控除対象配偶者と区別しています。
図は横にスクロールできます。
数値・人物・日付は説明用の架空の例です。実際の様式や欄名は発行元・対象年によって異なります。
| 区分 | 控除を受ける本人 | 配偶者 | 主な場面 |
|---|---|---|---|
| 源泉控除対象配偶者 | 合計所得900万円以下 | 合計所得95万円以下 | 毎月の源泉徴収 |
| 控除対象配偶者 | 合計所得1,000万円以下 | 合計所得62万円以下 | 2026年分の年間の配偶者控除 |
表の62万円は2026年12月1日施行の改正後の年間判定です。2025年分は58万円以下でした。施行日前の死亡・出国に伴う準確定申告などは適用関係が異なるため、対象年と手続日を国税庁の改正案内で確認します。
月々の欄に入らなくても年間の控除があり得る
本人の年間合計所得が920万円、配偶者の合計所得が50万円だったとします。本人が900万円を超えるため、源泉控除対象配偶者には当たりません。一方、本人は1,000万円以下、配偶者は62万円以下なので、ほかの要件を満たせば2026年分の配偶者控除の対象になります。本人の所得区分に応じて控除額が変わる点は、配偶者控除の基本で確認できます。
この場合、月々の天引きに配偶者の人数が反映されていないことだけを理由に、給与計算の誤りと判断しません。年末の申告で年間の控除を確認する流れになります。
月々の対象でも「配偶者控除」とは限らない
本人の合計所得が600万円、配偶者の合計所得が80万円なら、900万円・95万円の条件を満たします。しかし配偶者の所得は62万円を超えているため、年間で確認するのは配偶者控除ではなく配偶者特別控除です。源泉控除対象配偶者という言葉に「控除」があっても、年間の控除名を確定する意味ではありません。
逆に、年間の本人所得が1,000万円を超えれば、配偶者の所得が少なくても配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。夫婦の片方の収入だけを見て結論を出さないことが大切です。
見積りが変わったら書類も更新する
月々の申告は年間の所得見積りを使います。賞与や勤務時間の増減、副業の開始があったら、本人と配偶者の見積りをそれぞれ更新します。配偶者が二社で働いている場合も、勤務先ごとに判定を分けず、年間の所得を集計します。
年末には家族の所得見積りを確認し、扶養控除等申告書と配偶者控除等の申告欄を区別して提出します。社会保険の扶養や会社の家族手当は別の制度なので、この表をそのまま加入や手当の判定に使わないでください。
根拠とした公式資料
- No.1191 配偶者控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1195 配偶者特別控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 専門用語集|国税庁 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。