兄弟で親を扶養するとき|同じ親の控除を重ねないための確認
生活費を分担する兄弟について、扶養親族の所属、年末調整、確定申告後の変更制限を整理します。
この教材の論点:扶養控除と配偶者の控除
兄弟で親の生活費を出し合い、二人とも年末調整で親を扶養に入れようとしていた。親の所得や生計の状況と、兄弟それぞれの申告内容を比べ、控除を重ねないようにします。
二人それぞれの申告内容を確認する
兄弟がそれぞれ親の生活費を負担している場合でも、同じ親について二人が同じ年の扶養控除を重ねて受けることはできません。生活費の分担割合で扶養控除額を半分ずつ申告する制度でもありません。誰の扶養親族として申告するかを、家族の資料と申告状況に合わせて整理します。
親の生計や所得などの扶養要件を確認した上で、兄と弟が勤務先へ出した扶養控除等申告書、年末調整の結果、確定申告の有無を照合します。親本人の年金所得等も確認します。「親がどちらの住所にいるか」だけで、控除を受ける人が必ず決まるわけではありません。
所属を変える場合は増やす人と減らす人が必要
国税庁は、複数の居住者の扶養親族に当たる人の所属について、申告書等の記載に従うと説明しています。異なる所属へ変更するときは、扶養親族を増加させる人と減少させる人の全員が、変更後の記載をした申告書等を提出する必要があります。一人が親を追加するだけで、もう一人の控除が自動的に外れると思わないようにします。
| 家族内で共有すること | 確認する理由 |
|---|---|
| 誰が親を記載したか | 重複を見つける |
| 年末調整だけか、確定申告も済んだか | 変更できる手続きを確認する |
| 親の所得・生計・年齢 | そもそもの扶養要件と控除区分 |
| 変更する全員の手続き | 片側だけの変更を避ける |
確定申告後に自由に入れ替えられるわけではない
この所属変更に使う申告書等には、修正申告書と更正の請求書は含まれません。国税庁は、いずれかの人がいったん確定申告書を提出している場合、扶養親族の所属の変更はできないと案内しています。申告後に税負担を比べて有利な人へ替えればよい、と考えないでください。
年末調整後に相談する例
兄が親を扶養として年末調整し、弟は記載していないとします。両者とも確定申告前の段階で所属の変更を検討する場合、兄から親を外し、弟に加えるという双方の内容をそろえる必要があります。どちらかがすでに確定申告を済ませた場合には、同じ方法で入れ替えられるとは限りません。
なお、所属を任意に変えることと、もともと適用要件を満たしていなかったり、事実の誤りを訂正したりすることは同じではありません。事情を整理して税務署へ確認しましょう。年金を受け取る親の所得と扶養控除の要件を押さえ、家族全員の提出状況を確認してから手続きを進めます。
根拠とした公式資料
- No.1180 扶養控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1181 納税者が2人以上いる場合の扶養控除の所属の変更|国税庁 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。