退職所得控除の勤続年数|端数の切上げと控除額の計算
勤務期間を何年として使うかを整理し、20年以下・20年超の式と複数の退職金がある場合の注意を学びます。
この教材の論点:退職金・年金・金融資産等の所得
退職金の計算書には「勤続13年」とあるのに、入社から退職までは12年3か月だった。誤記と決める前に、退職所得控除に使う勤続期間と、一年未満の端数を切り上げる計算を比べます。
最初に期間の始まりと終わりを確かめる
退職所得控除を求める勤続年数には、一年未満の端数を一年に切り上げる取扱いがあります。履歴書に書く勤続年数や、毎月の給与の支給回数をそのまま使うのではなく、その退職金の計算の基礎となった勤続期間を確認します。
入社日、退職日、退職金の支給規程、勤続期間の算定資料をそろえます。休職、再雇用、出向、合併等がある場合は、単に最初に働いた日から退職日までの暦の差だけで判断できないことがあります。会社が計算に含めた期間がどこかを確認し、特殊な場合は該当する取扱いを調べます。
控除額は20年を境に式が変わる
| 控除に使う勤続年数A | 一般的な退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円×A。ただし最低80万円 |
| 20年超 | 800万円+70万円×(A−20年) |
例えば算定対象の勤続期間が12年3か月なら、端数を切り上げて13年とし、一般的な控除額は520万円です。24年8か月なら25年として、800万円+70万円×5年で1,150万円となります。月数の割合で40万円や70万円を按分する計算ではありません。
最低額と年数の切上げを区別する
控除額の最低80万円は、勤続年数に関する切上げとは別の規定です。年数を丸めた後に該当する式を使い、最低額を確認します。勤続年数が短いときは、短期退職手当等や特定役員退職手当等に関する二分の一計算の制限も、控除額の計算とは別に調べる必要があります。
複数の退職金があるときは単独で完結させない
同じ年に二か所以上から退職金を受け取る場合や、前年以前にも退職金を受け取っている場合などは、勤続期間の重複等による調整が関係することがあります。各支払先の金額に対して同じ期間の控除を何度もそのまま使うと考えないようにします。iDeCo等の一時金がある場合も、その制度名と受取時期を合わせて整理します。
控除額を求めた後の順序
控除額は退職金の収入から差し引く計算に使う数字で、控除額そのものが現金で支給されるわけではありません。退職所得の計算、適用される二分の一計算等の取扱い、税額の計算、源泉徴収の順に進みます。退職金の税金と受給に関する申告書を照合し、勤続年数、退職所得控除、手取りをそれぞれ別の数字として読みましょう。
根拠とした公式資料
- No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。