住民税の非課税と所得税の非課税の違い
所得税が零でも住民税の非課税とは限りません。2025年の所得税と2026年度のさいたま市の住民税を、同じ給与収入の例で比較します。
この教材の論点:住民税の非課税と証明書
年末調整で所得税が全額戻ったので、翌年度の住民税もかからないと思っていた。同じ所得年の資料を使い、所得税の控除計算と住民税の非課税基準をそれぞれ読みます。
まず同じ所得の年を比べる
年末調整で所得税が戻り、年間の所得税が零になっても、翌年度の住民税が必ず非課税になるわけではありません。所得税と住民税では、控除額も非課税の判定も異なります。「税額が零になった」という結果を、別の税の資格判定へそのまま使わないようにします。
| 比較する税 | 今回の対象 | 確認の入口 |
|---|---|---|
| 所得税 | 2025年分 | 2025年の所得から所得控除等を考慮 |
| 個人住民税 | 2026年度 | 原則として2025年の所得と家族状況等で判定 |
2026年分の所得税の改正額と、2026年度の住民税を比べると、違う所得年の制度が混ざります。ここではあえて2025年分と2026年度を対応させます。年分・年度の対応は通知の年度と所得の年で整理できます。
給与収入120万円の例
2025年中の収入が給与120万円だけの居住者で、扶養親族等がおらず、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親などの非課税条件にも当たらない人を考えます。2025年分の給与所得控除65万円を引くと、給与所得は55万円です。
この人の合計所得は132万円以下なので、2025年分の所得税の基礎控除は95万円です。給与所得55万円を上回るため、ほかの条件を変えなければ所得税の課税所得は零になります。源泉徴収があった場合は年末調整等で精算することになります。
一方、さいたま市の2026年度の均等割・所得割の両方が非課税になる一般の基準は、同一生計配偶者や扶養親族がいない人で前年の合計所得45万円以下です。55万円はこれを超えるので、この例では「所得税が零だから住民税も非課税」とはいえません。住民税は別に計算する必要があります。
所得割だけ零という場合もある
住民税には、所得に応じた所得割と、均等割があります。所得控除や税額控除の結果として所得割が零になったことと、均等割まで課税されないことは同じではありません。森林環境税も通知に一緒に載るため、通知全体の額を一つの計算式だけで判断しないでください。
また「非課税所得」という言葉は、収入の種類自体が課税対象とされないことを表す場面もあります。今回の例は、給与収入が消えるのではなく、所得を計算し控除等を適用した結果を比べたものです。給与を申告書や家族の所得見積りから省く理由にはなりません。
家族の人数や属性が違えば基準も変わる
さいたま市では、同一生計配偶者や扶養親族の有無で住民税の一般の非課税基準が変わります。障害者等の一定の人には合計所得135万円以下という別の条件もあります。このページの単身者の例を、子を扶養する人やひとり親の判定へ流用しないことが大切です。
通知を受け取ったら所得の年、合計所得、扶養人数、本人の属性をそろえて自治体の表に当てはめます。収入がなかった年の申告や証明書の準備は所得がない年の住民税へ進み、税額の判定と手続きの要否を分けて確認してください。
根拠とした公式資料
- No.1199 基礎控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- No.1410 給与所得控除 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
- 所得控除 ↗さいたま市(自治体の案内の例) · 確認日 2026-10-28
- さいたま市/納税義務者 ↗さいたま市(自治体の案内の例) · 確認日 2026-10-28
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。