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住民税の仕組みと手続き

住民税の調整控除の基本

調整控除を所得控除と分け、公表された人的控除差の表と合計課税所得を使って計算します。さいたま市の例で金額と通知の確認先を整理します。

この教材の論点:住民税と所得税の控除の違い

この記事で分かること
  1. 準備するのは二つの金額
  2. 200万円以下の場合の計算例
  3. 所得が大きい場合は別の式になる
  4. 実際の控除額を引き算して差を作らない

住民税の通知書に「調整控除」とあり、保険料や寄附の控除と同じように読んでよいか迷っている。所得税と住民税で異なる人的控除の関係を知り、通知書のどの段階で差し引かれる額かをたどります。

準備するのは二つの金額

住民税の「調整控除」は、所得税と住民税の人的控除の違いに伴う負担を調整する税額控除です。給与収入や所得から直接差し引く欄ではありません。所得控除を反映して税額を計算した後、その税額から差し引くものとして位置を確認します。

一つは、調整控除の計算に使う人的控除額の差の合計です。基礎控除、扶養控除、障害者控除などについて、自治体が公表する調整控除用の差額表を使います。生命保険料や医療費のように、所得控除額が異なるものをすべて自由に足し上げる計算ではありません。

もう一つは合計課税所得金額です。さいたま市の説明では、課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計です。給与の収入金額や、控除前の合計所得金額とは異なります。通知や申告のどの欄の数字かを確かめてから式へ入れます。

200万円以下の場合の計算例

さいたま市では、合計課税所得金額が200万円以下なら、人的控除額の差の合計と合計課税所得金額を比べ、少ない方に5%を掛けます。5%の内訳は市民税4%、県民税1%です。

住民税決定通知書の記入例

①〜⑥を本文の照合表と対応させて読みます。給与所得のみ・扶養なしの仮定です。市8%・県2%などの金額設定は本文で参照するさいたま市の制度に合わせています。

図は横にスクロールできます。

住民税決定通知書の記入例個人住民税・森林環境税 特別徴収通知書。①年度と対象の所得年:課税年度 2026年度、所得の対象期間 2025年1月〜12月。②所得:給与収入 4,000,000円、給与所得 2,760,000円、その他の所得 0円。③所得控除:社会保険料控除 600,000円、基礎控除 430,000円、所得控除の合計 1,030,000円、課税総所得金額 1,730,000円。④所得割と税額控除:市民税・控除前(8%) 138,400円、県民税・控除前(2%) 34,600円、調整控除(市/県) 2,000円/500円、所得割の合計・控除後 170,500円。⑤均等割等と年税額:均等割(市/県) 3,000円/1,000円、森林環境税 1,000円、年税額の合計 175,500円。⑥月ごとの徴収額:2026年6月 14,900円、2026年7月 14,600円、2026年8月 14,600円、2026年9月 14,600円、2026年10月 14,600円、2026年11月 14,600円、2026年12月 14,600円、2027年1月 14,600円、2027年2月 14,600円、2027年3月 14,600円、2027年4月 14,600円、2027年5月 14,600円個人住民税・森林環境税 特別徴収通知書説明用の独自様式 / 税見 太郎(架空)①年度と対象の所得年課税年度2026年度所得の対象期間2025年1月〜12月②所得給与収入4,000,000円給与所得2,760,000円その他の所得0円③所得控除社会保険料控除600,000円基礎控除430,000円所得控除の合計1,030,000円課税総所得金額1,730,000円④所得割と税額控除市民税・控除前(8%)138,400円県民税・控除前(2%)34,600円調整控除(市/県)2,000円/500円所得割の合計・控除後170,500円⑤均等割等と年税額均等割(市/県)3,000円/1,000円森林環境税1,000円年税額の合計175,500円⑥月ごとの徴収額2026年6月14,900円2026年7月14,600円2026年8月14,600円2026年9月14,600円2026年10月14,600円2026年11月14,600円2026年12月14,600円2027年1月14,600円2027年2月14,600円2027年3月14,600円2027年4月14,600円2027年5月14,600円

数値は説明用の架空の例です。様式は自治体によって異なります。

説明に対応する比較表
仮定例A例B
計算に使う人的控除差の合計5万円5万円
合計課税所得金額150万円2万円
少ない方の金額5万円2万円
調整控除合計2,500円1,000円

例Aは市民税2,000円、県民税500円、例Bは市民税800円、県民税200円です。調整控除がある人は全員一律2,500円、というわけではありません。この表は計算の仕組みを示すもので、住民税の年税額全体を算出した例ではありません。

所得が大きい場合は別の式になる

合計課税所得金額が200万円を超えると、人的控除差の合計から「合計課税所得金額-200万円」を引き、5%を掛けます。この計算による額が2,500円未満なら2,500円となります。ただし、合計所得金額が2,500万円を超える人には調整控除が適用されません。200万円と2,500万円は、判定に使う金額の種類も異なります。

実際の控除額を引き算して差を作らない

所得税の基礎控除の改正後も、調整控除の計算用の人的控除差は、所得税と住民税の実際の控除額を単純に引いて求めるものではありません。さいたま市の差額表では、基礎控除について調整控除用の金額を定めています。現在の所得税の基礎控除を見て、独自に大きな差額へ置き換えないでください。

通知で照合するときは、まず住民税の所得控除欄で家族や控除の情報を確認し、次に税額控除の内訳を見ます。ほかの税額控除と合算表示されている場合には、合計欄を調整控除単独の額と決めつけません。所得控除と税額控除の違いも確認すると、修正を依頼すべき欄を整理できます。

理解を確かめる

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根拠とした公式資料

税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。

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