自家用車を仕事にも使う場合|走行記録と経費の配分
自家用車の費用を事業と私用で分けるときは、業務走行等の記録を用意します。車を所有しているだけで維持費全額が経費になるものではありません。
この教材の論点:必要経費と家事按分
家族の買物にも顧客訪問にも同じ車を使い、ガソリン代の請求が一緒に来る。仕事分を経費へ分ける根拠として、訪問先や走行距離の記録と、年間の利用状況を照らし合わせます。
年間走行距離で配分する例
自家用車を仕事にも使う場合、燃料代や保険料などの共通費用は、業務部分を明らかに区分して必要経費を整理します。全国一律で「何割まで経費」という割合が決まっているわけではありません。
年初と年末の走行距離計から年間1万2,000km、顧客訪問などの記録から業務走行4,800kmだったとします。この実態に走行距離比が適しているなら、業務割合は40%です。年間の燃料代18万円を共通費用として配分する例では、業務分は7万2,000円となります。
この40%は計算例であり、安全な固定割合を示すものではありません。仕事の移動先、日付、区間を残し、帰省や買い物など私用の距離を除きます。途中で車を買い替えた場合は、車ごとに記録します。
支出の性質ごとに処理を分ける
| 支出 | 確認する内容 |
|---|---|
| 燃料・車検・保険 | 業務利用割合、費用の対象期間 |
| 顧客訪問時の有料駐車場 | 特定の業務利用として直接区分できるか |
| 車両の購入代 | 資産計上・減価償却 |
| ローン返済 | 元本と利息を分ける |
特定の商談の駐車場代を業務支出として直接特定できるなら、年間比率だけで処理する前に、その取引自体の目的を確認します。駐車場代と高速料金の記録では、明細の照合例を説明しています。
車の購入額は維持費と別に追う
ローンの年間返済額全体を、その年の車両費にはしません。車の取得価額に基づく減価償却と、借入元本を返す資金の動きは別です。取得日、業務使用開始日、私用との割合を設備の減価償却の台帳に残します。
記録を見直すタイミング
仕事の訪問が減った年、在宅中心になった年、家族が使い始めた年は、以前の割合が実態に合うか見直します。毎月の明細保存と走行記録を続ければ、申告時に都合よく割合を作る必要がなくなります。
根拠とした公式資料
- No.2210 必要経費の知識 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得) ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
- No.2100 減価償却のあらまし ↗国税庁 · 確認日 2026-10-30
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。