簡易課税で複数の事業を行う場合|売上区分を残す理由
簡易課税で複数の種類の事業を行うときは、売上を事業区分ごとに記録します。店名や主な事業の一つの率だけで全体を計算できるとは限りません。
この教材の論点:簡易課税
同じ店で商品販売とサービス提供を行い、簡易課税の売上区分が一つでよいか迷った。主な事業の率を全額へ当てはめる前に、取引ごとの事業区分を記録します。
店舗で物販とサービスを行う例
簡易課税で複数種類の事業を営む場合は、課税売上げを事業区分ごとに記録します。会社名や主な事業一つの率を、すべての売上へ無条件に使うものではありません。区分しない部分には、該当する事業のうち最も低いみなし仕入率を用いる取扱いがあります。
仕入商品を消費者へ販売する小売と、別途のサービス提供を行っている場合、レジや売上帳で商品販売とサービス料を分けます。ただし、事業区分は実際の取引の内容により、製造小売や加工・修理等では個別の確認が必要です。単に「店だから小売業」と決めません。
例として、確認済みの第2種の売上税額60万円と第5種の売上税額40万円があるとします。単純化すると、みなし仕入税額は60万円×80%+40万円×50%=68万円となり、売上税額100万円との差は32万円です。実際は国税・地方税、返品・値引き、端数処理等を申告書で計算します。
75%の特例は売上の構成を確認する
一種類の事業の課税売上高が全体の75%以上を占める場合、その事業のみなし仕入率を全体に使える特例があります。三種類以上を営み、特定の二種類で75%以上となる場合にも別の計算があります。税額や利益の割合ではなく、課税売上高の構成で条件を確かめます。
特例を使えるか確認するためにも、事業区分を残すことが重要です。区分のない売上を後から都合よく大きい率へ寄せるのではなく、契約、商品、請求明細で説明できる記録を用意します。
日常の記帳で残すもの
- 売上ごとの商品・役務と事業区分
- 税率、返品・値引き、資産売却等の区分
- 各事業の課税売上高と全体に占める割合
- 採用した原則法・簡便法・特例の計算根拠
簡易課税の六区分を確認し、税込・税抜経理の金額を混ぜずに集計しましょう。会計ソフトの初期設定が自分の取引を正しく判定しているかも点検します。
根拠とした公式資料
- No.6505 簡易課税制度 ↗国税庁 · 確認日 2026-10-27
税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。