LavaTax税を体系的に学ぶLavaTax
住民税の仕組みと手続き

公的年金からの特別徴収の入口

公的年金から差し引かれる住民税について、対象者・対象税額・初年度の普通徴収との併存を確認します。さいたま市の制度で入口を整理します。

この教材の論点:特別徴収と普通徴収

この記事で分かること
  1. 65歳以上でも条件を確認する
  2. 天引きするのは年金所得に係る税額
  3. 開始年度は納付書と年金天引きが併存する
  4. 翌年度の仮徴収は当年度分の一部

年金の振込通知に住民税が載り、別に自治体から納付書も届いた。同じ年度の年税額と徴収方法ごとの金額を並べ、どの分が年金天引きになっているかを読みます。

65歳以上でも条件を確認する

公的年金から住民税が差し引かれる特別徴収は、年金受給者の全員に一律に行うものではありません。また、所得税の年金の確定申告不要制度とは別の話です。年齢、対象年金、税額の条件と、通知に書かれた徴収方法を確認します。以下はさいたま市の公表内容を例にしています。

さいたま市では、前年中に公的年金等を受け取り、4月1日現在で老齢基礎年金等を受給している65歳以上の課税対象者が、原則として対象になります。特別徴収対象年金の年額が18万円未満の場合や、特別徴収税額がその対象年金の年額を超える場合などは対象になりません。介護保険料の特別徴収対象であるかも関係します。

複数の年金を受けている場合も、すべての年金から分けて住民税が引かれるとは限りません。法律上の優先順位で対象となる一つの年金を決めるため、年金ごとの振込通知だけで税額全体を推測しないようにします。障害年金や遺族年金は、この特別徴収の対象ではありません。

天引きするのは年金所得に係る税額

年金天引きの開始年度の徴収例

本文の年金所得に係る対象年税額90,000円の架空例です。普通徴収22,500円×2期と年金天引き15,000円×3回を合計します。年税額を算出する所得条件は省略し、開始年度の徴収方法だけを示しています。

図は横にスクロールできます。

年金天引きの開始年度の徴収例住民税の納税通知書・徴収方法欄。①年金所得に係る年税額:対象年度 2026年度、この例の対象年税額 90,000円。②前半の普通徴収:第1期 22,500円、第2期 22,500円、普通徴収の小計 45,000円。③後半の年金天引き:2026年10月 15,000円、2026年12月 15,000円、2027年2月 15,000円、年金天引きの小計 45,000円。④二つの方法の合計:45,000円+45,000円 90,000円住民税の納税通知書・徴収方法欄2026年度 / 税見 太郎(架空)/ 年金特別徴収の開始年度①年金所得に係る年税額対象年度2026年度この例の対象年税額90,000円②前半の普通徴収第1期22,500円第2期22,500円普通徴収の小計45,000円③後半の年金天引き2026年10月15,000円2026年12月15,000円2027年2月15,000円年金天引きの小計45,000円④二つの方法の合計45,000円+45,000円90,000円

数値は説明用の架空の例です。様式は自治体によって異なります。

説明に対応する比較表
所得の例住民税の徴収方法の例
公的年金等の所得公的年金からの特別徴収
給与所得給与からの特別徴収
不動産所得等普通徴収など

年金を受け取りながら働いている人は、給与、年金、納付書という複数の経路で支払う場合があります。経路が三つあることだけで二重徴収と判断せず、年税額が所得区分ごとにどう配分されているかを見ます。森林環境税を含む通知の合計とも照合してください。

開始年度は納付書と年金天引きが併存する

新たに年金から特別徴収になる年度は、前半の普通徴収と後半の年金天引きを組み合わせます。年金所得に係る対象年税額を9万円と仮定すると、さいたま市の初年度の仕組みでは第1期・第2期に22,500円ずつを普通徴収、10月・12月・2月に15,000円ずつを年金から差し引く形です。合計は9万円です。

これは仕組みを示す架空の額で、9万円の年税額が算出される所得条件を示したものではありません。年金から引かれるからといって、前半の納付書を捨てないことが大切です。実際の金額と期限は自分の納税通知書を優先します。

翌年度の仮徴収は当年度分の一部

継続する年度は、4月・6月・8月の仮徴収と、10月・12月・2月の本徴収に分かれます。仮徴収は前年度の年金所得に係る年税額をもとにし、当年度の税額が決まった後に後半で調整します。仮徴収を前年度の滞納分だと思い込まないようにしましょう。

本人の希望だけで年金天引きから納付書払いへ変更することはできません。転出や税額変更などでも、条件によって継続する取扱いがあります。通知の変更があれば自治体の案内を確認します。

年金の所得税の申告は公的年金と確定申告、住民税の申告の要否は年金の申告不要制度と住民税で別に確認し、税額の計算・申告・徴収方法を分けて整理してください。

理解を確かめる

読んだ記事と問題の結果を、このブラウザーに保存できます。

根拠とした公式資料

税金の制度を調べる際の参考資料や学習用としてご利用ください。適用条件や手続きは、対象年の公式資料・所管の窓口で確認してください。

あわせて読む

学習の続き・進捗 →